伊坂幸太郎「チルドレン」

tagosaku2005-06-08



 こういう奇跡もあるんじゃないか?まっとうさの「力」は、まだ有効かもしれない。信じること、優しいこと、怒ること。それが報いられた瞬間の輝き。ばかばかしくて恰好よい、ファニーな「五つの奇跡」の物語。
 短編の皮を被った長編なるほど。「グラスホッパー」では主役の人物をザッピングした空間軸のズレを描いていたけれど、この作品では時間軸のズレが面白さを演出しています。って書いたら理系っぽいか。それでもちゃんとミステリとして成立させてるのが伊坂の凄いところだよなぁ。面白いです。もうすでにおなじみとなった舞台の仙台住民は伊坂が大好きです。