乙一 「暗いところで待ち合わせ」

tagosaku2004-07-05



 視力をなくし、独り静かに暮らすミチル。職場の人間関係に悩むアキヒロ。駅のホームで起きた殺人事件が、寂しい二人を引き合わせた。犯人として追われるアキヒロは、ミチルの家へ逃げ込み、居間の隅にうずくまる。他人の気配に怯えるミチルは、身を守るため、知らない振りをしようと決める。奇妙な同棲生活が始まった―。
 いわゆる”切なさ”系の作品。ここ最近読んだ作品と比べてその世界観の明るいこと!まぁ一応人は死んだりもしますけれど、なかなかにハートフルなストーリーに仕上がっております。主人公二人の視点から描かれる作品というのはよくある演出ですが、そこにほら評判の”描写力”が加わって、コミュニケーションを深めていく様がとても面白いです。こーいう作品は読後感もスッキリなので大好きですよ。あとがきも、あれだ。オモロイやんけ(笑)。