宮部みゆき「龍は眠る」

tagosaku2004-03-24



 嵐の晩だった。雑誌記者の高坂昭吾は、車で東京に向かう道すがら、道端で自転車をパンクさせ、立ち往生していた少年を拾った。なんとなく不思議なところがあるその少年、稲村慎司は言った。「僕は超能力者なんだ」。その言葉を証明するかのように、二人が走行中に遭遇した死亡事故の真相を語り始めた。それが全ての始まりだったのだ……。
 移動中のバス電車の中で一気読み。サイキックというSF的な要素とミステリーな要素と両方を含んではいるけれど、中途半端に終わることなくしっかりと両方ともに成立させている作品。宮部氏はホント少年の描写が巧みです。ゲームばっかりやってるとこんな立派な脳味噌になるのでしょうか。大好き。