川端康成「伊豆の踊子」


 二十歳の旧制高校生である主人公が孤独に悩み、伊豆へのひとり旅に出かけるが、途中旅芸人の一団と出会い、一行中の踊子に心を惹かれてゆく。人生の汚濁から逃れようとする青春の潔癖な感傷は、清純無垢な踊子への想いをつのらせ、孤児根性で歪んだ主人公の心をあたたかくときほぐしてゆく。
ノーベル賞作家という肩書きながらも何故か敬遠しがちな川端康成の名著を読了。「伊豆の踊子」はごっちんが去年の暮れ(今年の正月?記憶細胞死滅中)に演じていた有名なお話。ちょうど同年の主人公に自分が旅した時のことを重ねてみると、なぜかしら幾分感傷的な気分になる。別れのシーンは圭ちゃんの顔の方が印象に強いのでそっちを想像。他収録の三編も面白い。好きかも。