明治帝の崩御に殉じた、日露戦争の輝ける英雄、及木希典。幾多の栄誉を一身にになった彼が、何故死を選んだのか。釤軍神釤の内面に迫り、その人間像をさぐる問題作。
無能すぎた軍人、乃木を描く。明治帝に殉じたことにより英雄視された乃木の純粋さに、明治の世になり忘れられつつあった古武士の精神を見せ付けられたような気がする。殉死というのはこの現代には見られない現象だが、一途な精神という意味合いでは見習うところもあるかもしれない。とりあえず司馬ちゃん（司馬遼太郎）はこれで一段落。二冊ほど挟んで再び辻ちゃん（綾辻）に戻る予定。好きでも嫌いでもない。
