Dolls(ドールズ)

tagosaku2003-08-06



 北野武監督2002年作品。一本の赤い紐につながれ、あてもなくさまよう男女。忍び寄る死を予感した老境のヤクザと、彼をひたすら待ち続ける一人の女。事故により人気の絶頂から転落したアイドルと、それでも彼女を慕い続ける青年。映画監督・北野武が贈る三つの愛の物語。引用。
 画面(映画館で見ていたならばスクリーン)に映し出される四季折々の表情が実に美しい作品。この類の作品に出会ったとき、日本人で良かったと思う。恋愛映画なせいか、従来の北野作品とは異なり暴力的な要素は排除してあるが、その映画に佇む静けさはやはり北野作品そのもの。その醸し出す雰囲気にのめりこんでしまう。人形浄瑠璃を知っていればより面白かったかもと少々後悔。これも受け手の知識不足による問題なので作品自体の評価には繋がらない。某アイドルグループの女の子はこの作品を見てお尻が痛かったとの名言を残したが、彼女がこの作品の菅野の狂気地味た演技にどのようなことを思ったかが知りたいかも。好き。