森博嗣「まどろみ消去」

tagosaku2004-09-17



 大学のミステリィ研究会が「ミステリィツアー」を企画した。参加者は、屋上で踊る三十人のインディアンを目撃する。現場に行ってみると、そこには誰もいなかった。屋上への出入り口に立てられた見張りは、何も見なかったと証言するが…。(「誰もいなくなった」)ほか美しく洗練され、時に冷徹な11の短編集。
 森氏の書き下ろし短編。いつもの理系ミステリィというよりも、純文臭い文体も含み、もう何か幅広く出来ますねあなたといった印象。まぁ中には『ミステリィ対戦の前夜』と『キシマ先生の静かな生活』のような、理系理系した作品も含ますが。一番やられたと思ったのは『やさしい恋人へ僕から』。氏のことを知ってるからゆえにだまされるトリックにやられました。やっぱおもしれぇよ。大好きです。