谷崎潤一郎「痴人の愛」


 美少女ナオミの若々しい肢体にひかれ、やがて成熟したその淫蕩なまでの底知れぬ魅力のとりことなった譲治。奔放なナオミは譲治の背に跨って部屋中をめぐる。女の魔性に跪く男の愛――焦燥と陶酔と惑乱を描く。 近代文学に移行しました。
 マゾ小説家谷崎氏の小説らしく、簡単に言うなればM男の成れの果てを描いた作品。女の子を自分で見出して育てて・・なんて源氏物語かしらんと思いつつ読み勧めてみると、最後には「馬にしてくれ!」と懇願する主人公が滑稽。自分はドのつくSなので、女の子に惚れたとしても尽くすほどまでになるようなことはないとは思うけど、とても良い教訓となった気がする。とりあえずS女ナオミはふじもっちゃんという設定をデフォルトで。好きかも。