筒井康隆「幻想の未来」


 筒井康隆短編集。1億年後の世界。そこにはかつての人類の物質文明の繁栄は跡形もなく、荒廃した岩山と砂漠だけがあった。ホモ・サピエンスの末裔たちは突然変異体としてさまざまな形態を持ち、また食人、近親交配、殺人等のタブーすら解かれていた・・・。SF界の俊才筒井が独自の想像力を駆使して描く未来の世界。他に「ふたりの印度人」等9篇。引用。
 流石日本を代表するSF作家。SFをほとんど読んだことの無い自分(小説という大きな括りで言った方が正しいか)から見ると、「サイエンス・フィクション!」と立ち上がるような設定の細かさ。少々その設定の細やかさに前半戸惑ったところもあったが、慣れた後半は面白くて仕方が無かった。陸と海の話が好き。短編もサクっと読めてサクっとニヤリ。好き。

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