浅田次郎 「地下鉄に乗って」

tagosaku2006-05-16



 永田町の地下鉄駅の階段を上がると、そこは30年前の風景。ワンマンな父に反発し自殺した兄が現れた。さらに満州に出征する父を目撃し、また戦後闇市で精力的に商いに励む父に出会う。だが封印された“過去”に行ったため……。思わず涙がこぼれ落ちる感動の浅田ワールド。吉川英治文学新人賞に輝く名作 (amazonより)。
 地下鉄が舞台のファンタジー。昭和の時代の地下鉄にタイムスリップというあららな展開も、当時の地下鉄の緻密な描写でその時代に丸ごと入り込めます。地方の人間なので地下鉄に憧れみたいなものはないけれど、東京出身の人が読んだら涙もこぼれます。家族の絆。好き。