伊坂幸太郎「オーデュボンの祈り」

tagosaku2004-12-20



 コンビニ強盗に失敗し逃走していた伊藤は、気付くと見知らぬ島にいた。江戸以来外界から遮断されている“荻島”には、妙な人間ばかりが住んでいた。嘘しか言わない画家、「島の法律として」殺人を許された男、人語を操り「未来が見える」カカシ。次の日カカシが殺される。無残にもバラバラにされ、頭を持ち去られて。未来を見通せるはずのカカシは、なぜ自分の死を阻止出来なかったのか?
 最初の印象は「なんじゃこのハルキ臭さは」というものでしたが、読み進めていくうちにわかるファンタジィとミステリとの間を行き来するような「伊坂ワールド」、設定セリフの回しその他はファンタジィのようで、伏線の張り方ラストの転がり方はミステリ。面白いです。舞台が仙台というのも高ポイント。やっさん法学部に負けんなよ。大好き。