北杜夫「大日本帝国スーパーマン」


 太平洋戦争も終わりに近づいた昭和二十年三月、継ぎはぎだらけのマントをひるがえして、ひとりの老人が日米決戦の場に飛び立った。空を見よ。島だ!飛行機だ!いや<大日本帝国スーパーマン>宮本武兵衛だ!武兵衛と、クリプトン星人の風上にもおけないゴロツキの<アメリカスーパーマン>との、生命をかけた壮絶な戦いを描いた表題作をはじめ、荒唐無稽なユーモア小説三編を収録。
 学部は違えども大学の先輩に当たる作家、北杜夫氏の短編小説を読了。設定も中々に破天荒でSF小説のそれを満たしているような気もするが、いかんせんその設定がついていけないような設定なのでちょっと残念。三編の中では「銭形〜」が好きくらいで。ドクトルまんぼうも読んだけれど、実際の体験が語ってあるそちらの方が良かったような気がした。好きでも嫌いでもない。