司馬遼太郎「峠」

tagosaku2003-09-28



 西欧の近代思想に通じ、封建制度の崩壊を予想しながら、官軍に対抗し、北越戦争に散った河井継之助の一生を描く。
 侍の美学に貫いた継之助にしびれた。時勢を読み商人の世が訪れることを予見したのにもかかわらず、夢半ばについえたところは竜馬とも似通ったところがあるかもしれないが、長岡藩という小さな藩に生まれたことでその才能を十二分に発揮できなかった悲哀さに涙。地理描写は地図が頭の中で描くことが出来たので、新潟の人間でよかったと思ったりも。好き。